整える
身体を整える
最近、”整える”という言葉が巷で定着したように思います。
元々は、サウナブームがきっかけとなり、その言葉が広く親しまれるようになったみたいですね。
サウナに入って汗を流し、血流を回復させたり、サウナと水風呂を交互に入ることで身体に良い刺激が加わり、身体本来の調和を取戻した状態のことを”整った”というのでしょう。
ぼくも若いころからサウナは頻繁に利用していました。
当時は、効能を頭で理解していたわけではなく、身体が心地よさを感じていたので、自然と通うようになったわけですが、汗をかくことの効能を身体の方がよく理解していたということでしょう。ただ、昔は(ブームになる前)、今のように人気スポットではなく、おっさん達の溜まり場的なイメージが強かったですが(笑)。
今は、昔よりも日常のストレスの度合いが高くなっていて、人々の中の潜在的な需要が高まり、あるポイントに達したとき、小さなきっかけで瞬く間に定着したのかもしれません。
そして重要なことは、身体がストレスを感じているということは、それ以前に心がストレスを感じているということでしょう。
心の呼吸
心のはたらきを分解してみると。
心には、世界や目の前にある現実、出来事を感じ受け止める”受信”というはたらき。
そして、想い考えはたらきかける”発信”。
そこから生まれる”現実”。
この受信ー発信ー現実という一瞬のはたらきが、心のはたらきと言えるでしょう。
わたし達は意識することなく、この受信―発信ー現実というはたらきを日々繰り返しています。
一日だけでも何百、何千、何万回も繰り返しているのです。
そして、この心のはたらきが積み重なって日々の現実となり、経験となり、人生となるのです。
呼吸をするのと同じくらい無自覚に、自然に行っているのが特徴です。
だから、”心の呼吸”といってもいいかもしれません。
誰にもその人独特の”心の呼吸”のリズムがあります。
ゆったりとしているようで、浅い呼吸にしかなっていない人。
せかせかと先を急いでせわしないリズムの人。
十分に吐くことができずに、吸うことも満足にできなくなってリズムが乱れている人。
逆に吐くことばかりで、吸うことを忘れている人。
”心の呼吸”を知ることは、自分の生き方を見つめることであり、自分の未来を考えることでもあります。
だからこそ、自分の人生をよりよく生きるためには、その土台となっている”心の呼吸”と深く対峙することが必要になります。
身体を整えるだけでなく、”心の呼吸”を整えたとき、本当の意味で人生が整ってゆくのでしょう。